美唄自然エネルギー研究会の視察調査を市議会自民クラブで行って参りました。
自然エネルギーと聞くと、太陽光や風力等いわゆる再生可能エネルギーをイメージする方も多いかと思います。美唄自然エネルギー研究会(以下エネ研)の取り組みは「雪」をエネルギーとして活用するというものです。
自分が、市議に初めて当選した時に案内もあり、この研究会の講演会に出席し話を聞いたこともあり、以前よりその動きを注目しておりました。今回会派に提案し、会派全員で視察を行うこととなりました。
雪冷房の導入が次第に進んでおり、このエネ研の研究や実証実験をもとに、玄米や野菜の保管施設、温泉施設や老人福祉施設にも導入されており、新千歳空港にも活用されています。さらに当初より目標としていたホワイトデーターセンター構想が進展しています。
コンピューター社会においてデーターセンター無くして成立ができないとされるインフラであり、政府も成長の柱と位置付ける等近年話題となっております。石狩湾新港工業団地にも巨大なデーターセンターが立地されているのを見た方もいるかもしれません。
2008年に構想を策定、2013年から実証実験をスタート、2014~2018年にはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)実証事業として5億円の支援を受け、20ラックのデーターセンター棟、食糧生産棟で雪+外気ハイブリット自然エネルギー冷却システムで事業をスタート。2020年には、共同通信デジタルと連携して、ホワイトデーターセンターの事業がスタートしました。
データーセンターのサーバーの個々の機器が発する熱を冷却することが必要です。会社でサーバー室があるところでは、エアコンで24時間冷やし続けています。この規模が大きくなることはさらに、大量の電力を必要とすることになり、外気温が低い北海道での立地も注目されているところでもあります。
このエネ研の取り組みは、冬場に嫌になるほどある雪を堆積し、木質チップをかぶせて溶けにくくし、雪解け水の中に配管を通し、水を循環させて冷却するしくみとなっています。この仕組みでゴミや融雪剤の混じった道路除雪・排雪の雪も活用できるような仕組みを作っております。これにより電気代をおおよそ1/3にすることも可能としており、さらに必要な電気は、再生可能エネルギーでの供給を予定しているとのことです。
またデーターセンターから排出される熱を活用して、野菜や養殖の実証実験も行っており、白きくらげの栽培やアワビの養殖実験、現在はウナギの養殖も進めています。さらに雪冷熱の仕組みを利用して、乾燥室の設置による干し芋製造など、食品製造への取り組みをも行っています。
今回訪問した「美唄ハイテクセンター」もホワイトデーター構想の支援施設としてだけではなく、ICT関連事業、テレワークオフィス・ワーケーション利用支援としての機能を有しており、コロナ時代に求められた事項を先駆的に取り組んでいます。
かねてから、注目していた雪活用への取り組みの進捗にある意味感動をし、江別市での導入・活用について実現性が増したと感じるところでもありました。